はてさて、ぼちぼち引っ越し先の準備も整った「冥土の土産」。そろそろ、この音楽系ブログも無理があるんじゃねぇかって思いはじめたあたくし。かれこれ8ヶ月も続けてきて、毎週毎週、飽きもせず素敵なアルバムを素晴らしいレビューでご紹介、ってなつもりだったんでやんすがね。この半年で、あたくしのブログを経由して読者諸君が購入しなすったCDは、さて、一体何枚だったか。ログ見てたまげたね。
...。あたくしのブログは、やっぱりコバナシ系だったんじゃねぇかとガックリ肩を落としたもんだよ。テメェの涙で、溺れ死んじまいそうな夜を幾晩も過ごしてあたくしは考えた。困った時の、新装開店。焼肉とサウナとパチ屋の町、川崎-蒲田界隈で青春を過ごしたあたくしとしちゃぁ、そんな程度のアイデアしか浮かびゃしねぇってな寸法だ。てな訳で、ぼちぼち新装開店いたしやす。
さて、東京のバカヤロウだの東京砂漠だのってなオチでもって終了した前回の「電車でGo」。今日はその続編と来たもんだよ。
東京南部から神奈川海沿い地域を、それこそ非合法な速度でクネクネとぶっ飛ばす男の列車、京○急○線。そんな荒くれ者の電車でも、良いこともありやんした。雨の日、シートに座ったあたくしの目の前に立った、バカップル。ベタベタくっつきながら、内緒話なのかチューなのかわからねぇビヘィビヤーを続けていやがります。曇ったガラスに、


てぇことは、よく見りゃ似てるこの二人ってなことか。
この素敵な60年代風のオジサン。すぃーっと左手を座っているあたくしの目線のあたりに持ってきなすった。ポタリ。傘を伝って落ちる雨水を(しかもバカ面こいて熟読中でなぁんにも気付いてねぇあたくしのために)左手で受けなすった。目線も変えず、一言も発さず。それに気付いたバカップル(オンナの方)が、バカ男を肘で突付いて、傘を下ろさせ、「すんません」と一礼。
あたくしは感激に打ち震えたね。こりゃぁ、男だ。いや、漢(オトーコ)だ。それも、厚かましくねぇし、暑苦しくもねぇ、ジェントルメンだ、と。
珍しくすがすがしい気持ちになれたあたくし。絶対にあたくしも善行をしようじゃねぇかと誓ったもんだよ。一日一善だよ。高見山と笹川良一が言ってたことが、今頃になって実感できたよあたくしは。
そして翌日。同じくタイミングよくシートを確保した京○急○線車内。なんと、杖をついたおばあさんが乗ってくるじゃねぇか。あたくしの善行センサーが感知したのは申し上げるまでもねぇ。すっくと立ち上がったあたくしは、「あ、こちら、どうぞ。いえいえ、良いんでやんすよ。いや、ね。あたくしはすぐ降りやすから。」
感謝の言葉を頂戴し、あまりのスガスガしさに心はその昔、少年ジャンプに連載していた「キックオフ」の主人公、ちょっぴりお調子者の永井太陽といった塩梅。

そんなすがすがしい気分の車内は、いつもよりホワイトがかかって見えてみたりするもんで、なんだか良い気分だったりするんでやんすが、なんとなぁく視界が斜めに、なんて思ってたあたくしは、派手な音を立てて仰向けに転倒。何のことかと思やぁ、親切にされたおばあさんの杖に引っかかって、転倒しちまったってな具合。キャップを目深に被ってU2のボノみたいなサングラスをかけていたあたくしでやんすが、帽子は明後日の方に飛んでっちまうわ、サングラスは片目が見えるくらいに斜めってやがるわの体たらくだ。帽子を拾ってくれた若いネェチャンにお礼もそこそこ、あちこちから善行の後に非業の最期を遂げたあたくしに向かって声援が飛ぶ。「大丈夫ですか?」「あらら、帽子が飛んでるわ...」そんな声援の裏側には、三日月型の、笑いを押し殺した表情が見て取れるってなもんです。ドイツもコイツも、笑ってやがります。
「すいませんね。本当に、あらら、ごめんなさいね。せっかく親切にしていただいたのに...ほんとに、あらあら、どうしようかしら...」
頼むから、あやまらねぇで下さい。あたくしはこの時ほど、ミクロマンに憧れたことはありやせんでした。

「畜生、恩を仇で返しやがって」とうそぶいてみても、悪ぃのはあたくし、ってのが、また我慢ならねぇんだよな...。
と軽く恥を晒したところで、今週の(恐らく冥土の土産最後?)一枚。
Weekend Fly To The Sun / Toshiki Kadomatsu
日本人をあんまり取り上げない「冥土の土産」でやんすが、今回は珍しく角松敏生。90年代の活動休止期もあって、なんとなーくメジャーシーンから一歩引いたカンジもありやすが、30代から上のファンってぇのは、それこそエルビス・プレスリーはまだ生きてるんじゃねぇか、ってな位の熱狂振りで今だにファン街道まっしぐらってぇパターンが多かったり。ちょいとか細い、夏のAOR風ってぇと、もうこの人と、御大の感もある山下達郎くらいしかいねぇなぁ、と。ルックスが劣悪の山下達郎に較べて、なんとなくヤサ男風の角松の場合は、女性に熱狂的ファンが残存してる傾向があるようなないような。
1枚目のアルバムが、後藤ツグトシとかの、名うてのセッションマンで固めてた「気の効いた夏のJ-Pop系」だったのに対し、2枚目はわがままの限りを尽くしたかのような、米国系セッションマンで固まってるってな塩梅。ベースなんかで言うと、あたくしの大好きなルイス・ジョンソンがバッチリとミュージックマンでスラップを決めまくっていやがります。それこそ、親の仇みてぇに弦をビシビシゴツゴツと。そんなサウンドメイクなもんだから、結構クルーズミュージックってな印象が強くなっちまって、ミュージシャンにスゲぇの集めちまったせいか、ボーカルは聞こえにくいし、ってなミックスになってやがります。萎縮しちまったのかなぁ?でも、それも仕方あるめぇ、ってなメンバーが揃ってたり。
後期(ってぇか、最近の方)の角松サウンドは、キラキラピカピカのゴージャスなものになってやがるんですがね。ダークな曲もあったりで。あたくしは、この時期に耳慣れちまったせいか、デジタル臭くないこの頃のサウンドが好みでして。アナログ機器でアナログレコーディングの最高峰が体現できてた頃(つっても、一部にデジタルがバッチリ入ってたけど)の音ってぇのが、ホントにそそりやがります。時期的には80年代初頭ってぇところでやんすかね?ヘッドホンで聞いて見ると、そんなに上下左右に広がってねぇで、心地よく窮屈な重なり具合。でもって、音質は70年代くらいまでのようなくぐもり方がしてねぇよ、ってな。世代なんでやんすかね。
なんだか、ベースが好きだってな方にお勧めになっちまうんですが、あたくしがベース弾きなもんでご勘弁。2曲目のRush Hour、4曲目のSpace Scraperがたまらなく好きでやんす。なんだかベースソロの中にボーカルが聞こえてくる?ってな具合のウルササ加減なんでやんすが、楽譜にすりゃぁその位に音数の多いベースでも、ひとっつもやかましくねぇという。これ、今の角松サウンドにも通じてるなぁ、と。ベースに遊ばしてくれる。良いクリエイターだよ。ベーシスト冥利に尽きるってなもんだよ。こんなに好きにやらしてもらってよぅ。
あたくしなんか、アフリカ人とジャムした時に「おまえ、ベースのクセにうるさい。」って唾飛ばして怒鳴ってきやがったもんな。あたくしがいっぱい弾くとうるさくなっちまうんだよなぁ...。くそっ。スタジオの中で屁をこくようなヤツに言われたかねぇよ。アフリカ中央テレビめ。
年度末の多忙さってのにブログの引越しが重なっちまったあたくし。そんな言い訳をするなんざ、漢(オトーコ)じゃねぇや、というお叱りも覚悟。でも、こう言っちゃぁなんだが、ホントに忙しいんでやんすよ、掛け値なしに。ネット関係の仕事なんていう、イマドキのお仕事をしているあたくしの場合、毎日受け取るメールの数がなんとはなしのご多忙バロメーターだったりしやがります。メールの数もウナギノボリでやんしてね、ここんとこ。
そんな毎日の中で、ちょいと気付いたことが一点。最近、特にスパムが多い。あの手の事業者にも年度末があったりしやがるのか、はたまた年度の売上目標に到達しねぇから、とかでもって「○○興行アダルトエンターテイメント事業部」みてぇなところは連日、それこそ夜も寝ねぇで昼寝して、リキ入れてスパムってやがんのかね?
こんなもんにイチイチ構っちゃらんねぇんですが、最近のは良く出来てやがって、個人名を語ってメールを出してきやがる。それも割と標準的なお名前ときたもんだよ。「松田です。お久しぶり。」なんて書いてありゃ、まず見ちまう。そんなことで仕事がオセオセになってきたりしちまうと、あたくしの健康なストレート血管だって、2,3本は音を立てて切れちまうってぇもんだ。
夜中にこんなスパムを頂戴した時、あたくしは考えた。たった今、まさにこの時間に、こんな仕事をやっているヤツがいるのか、ってなこと。なんだか、大変な職場だなぁ、オイ。きっとこんななんじゃねぇかと。
<例1 HALちゃんの場合>
HALだよぉぉ♪ってか忘れちゃったかなぁ?!まぁいいやw
ここ最近連絡くれないんだもぉん。だから、HALから連絡しちゃったぁ☆
わっかるっかなっ?わっかるっかなっ?
まぁわからなかったら写メールでも送ってあげるからお返事くださいねぇ♪
兄貴: おい。サブ。なんか次のメール、お前、考えとけよ。名前変えりゃ良いからよ。
サブ: 兄貴ぃ。もう、名前なんか浮かばないっすよ。小学校の時のミドリのオバサンの名前まで使っちまって、もうわかんねぇっすよ。
兄貴: だからオメェはバカだってんだ。そこに電話帳があんだろうが。そこから見つけりゃ、いいんだ。このバカ。
サブ: そうっすね。えーと、あ、カタカナの名前とか結構多いっすね。
兄貴: いいじゃねぇか。おい。横文字かぁ?おい。ハーフとかってなぁ、気づかなかったなぁ。で、どんなんだよ?
サブ: トラ。それから、えーと、ウメ。カウ。ハル。あと、ウシなんてのもありますね。
兄貴: そりゃぁおめぇ、どぅ聞いてもババァじゃねぇか!このバカ!オメェだったら、そんなのの写メールとか、欲しいのかよ!
サブ: だって、兄貴ぃ。このご時世で自分の名前を電話帳にのっけてるのなんか、年寄りしかいねぇっすよ…。
兄貴: じゃー、オメェ、その中の、えーと…ハルでいいや。それ、英語にしろ。英語に。そしたらちょっと、近未来っぽいじゃねぇか。え?
サブ: 英語っすか?じゃ、HALとかで。なんか、どっかで聞いたことありますけどねぇ。

兄貴: でよ、この『HALだよ~。』はよ、『HALだよぉ♪』とかみてぇによ、音符とかハートとかなんじゃねぇのか?
サブ: あ、それ良いっすね。その方が気分出るっってもんすね。直しときます。
兄貴: あ、ちょっと待て。サブ。「HALだよぉぉ」ってよ。『ぉ』を二つ使うくらいので、どうだ?やりすぎか?おい。
サブ: いや、いいんじゃないすかね。『ぉ』二つにしときます。
兄貴: サブ!
サブ: はいっ。
兄貴: 火だ。火。
サブ: はいっ。すんません。(カチカチ。しゅぼっ。)
兄貴: ふぅーっ。今何時だ?
サブ: えーと、もうすぐ夜中の2時っす。
兄貴: ったく、何やってんだ?俺らはよ。上からは金寄越せ、寄越せってうるせぇしよ。オヤジはゴルフ三昧だろうが。
サブ: そうっすよね。やってらんないっすよね。
兄貴: ったくよ。俺だってよ。やっとこ都内にマンション構えてよ。外車買ったってとこでよ。これからってカンジだったのによ。こんなシノギに回されちまってよ。
サブ: …。
兄貴: なんだ?オメェ。マンションったって、西小山の1ルームじゃねぇかとか、外車ったって10年前のゴルフじゃねぇか、って思ってんじゃねぇか?おい。
サブ: そんなことないっすよ!考えすぎっすよ!
兄貴: ...。
サブ: ...。
兄貴: ふぅーっ。で、先やれよ、先。
サブ: はいっ。えーと。「ここ最近~」ってとこは、最後になんか、マーク入れますか?ハートとか。
兄貴: 星にしとけ。星に。俺らも星になんだよ。あん?星だよ。星。
サブ: はいっ。星、付けときますっ。あ、ここも、「連絡しちゃった」じゃなく「連絡しちゃったぁ」の方が良いっすかね。
兄貴: そうよ。そうよ。オメェもカンってのか?悪い方じゃねぇんだよな。つけとけよ。「ぁ」とかよ。
サブ: はいっ。じゃぁ、つけときますんで。
兄貴: あ、それとよ。その後のトコな。「わっかるっかなっ?」ってのあとは、ハテサテホホーとか入れると面白ぇんじゃねぇか?

サブ: ハテサテホホー、っすか?
兄貴: ふぅーっ。でもまぁ、よ。無理して入れただけのアドバンテージは無ぇかもしれねぇな。
サブ: いや...やっぱ、入れときますかね?ハテサテホホー。
兄貴: そういう風によ。上の人間の顔色見てりゃ、良いってもんでもねぇだろ。え?サブよ。
サブ: あ、はい。すんません。
なぁんて話になってんじゃねぇかと、あたくしは想像する。
そしらた、なんだかスパムってぇのも、なんだか腹がたなくなってきちまったよ。あたくしも。頑張れ。スパマー。
ってな妄言でもって、今週の一枚に繋いじまうよ。
AIN'T NO 'BOUT-A-DOUBT IT / Graham Central Station
ファンクを語る上で避けては通れない御仁。それがLary Graham。この人のサウンドを聞かなかったらあたくしは「ベースってつまんねぇな」と思ってとっととやめてたかもしれない、って位に聞きほれた方。Sly & The Famili Stoneをウッドストックやら何やらでスターにしたのは、Slyの毒気とLary Grahamのファンクネスでしょう、というのがあたくしの考えでやんす。ベースを叩いて引っ張るってな、チョッパー奏法とかスラップ奏法ってのの創始者。「なんだ?それ」って方も、音だけは必ず聞いてるはずでやんす。ボンボンボンってな音出なく、金属的なギョンギョン、ドペッってやつでやんすね。
何でもツールを聞いとかねぇと気がすまないってなあたくしの性格は、Duran Duranのジョン・テイラーが華麗に(でも上手くねぇ)ひいてらしたスラップ奏法を真似っこしてみようじゃねぇかと、先輩諸氏に「スラップって言ったら、誰っすかね?」と聞いてみる。そこで教えてもらったのが、既出のルイス・ジョンソン(ex. ブラザース・ジョンソン)とこのラリー・グラハム先生。ルイス・ジョンソンの奏法が、ディスコ系ファンクの唄ものをHipに聞かせる演奏だとしたら、ラリー・グラハム先生のベースは地鳴りでやんす。他人様のことなんざお構いなし。打楽器のようにボカンボカンとベースを叩く。ちょいと空気抜け気味のドッジボールを地面に叩きつけたようなサウンドでもって、能天気おバカ系のどーでもいい歌詞を歌い上げちまうんですね。
アルバムはドイツもコイツも、一曲目が脂っこーいファンクで、黙って聞いてらんないカンジのものばかり。腰が動くぜ、みたいな。で、その後に続くのはラブソングだったり、コミカルなものだったり(ヨーデルやったりするファンクバンドも珍しい)。そんなこんななので、ファンクネスってのを求めるなら1曲目を聞いたらもうおしまい、ってのが少なくありやせん。ただ、このアルバムについては割と佳曲揃いでして。かつてディスコのチークタイムではヘヴィーローテーションだった#2の「Your Love」とか、ちょいとダルなファンクの#8の「Water」。その他ゴスペル風#9とか、パーティーロックの#5など、朝起きてイマイチ元気ねぇな、って時にはなかなかのカンフル剤。
一番の聴き所は、1曲目の「The Jam」になりやす。ぶりぶりぶりぶりぶり~ってな派手なジングルから始まって、野太い声でカウントすると、どんな生き物に育てられりゃぁこんなリズムになっちまうんだ?ってなミドルテンポのジャム開始。ソロを回してくんですけども、手打ちリズムマシンご担当のチョコレート女史のカッコイイ&セクシーなことと、ドラマーのとんでもなくシンプルかつファンキーなリズムと、他人の音は関係ない地鳴りのベース。なんでベーシストがリーダーのバンドって、こんなになっちまうんだ?って疑問の良い部分が凝縮されてるようなもんで。
録音も古いので、イマドキのクリアな金属音ベースを期待しちゃうと「あれれ?」ってなことに。ほんと、ゴムマリが跳ねるようなリズムでやんすよ。この人の奏法解説ビデオ見たことありやすが、奏法のポイントは3点。
・本気で弦を叩け!
・地球のエネルギーを感じろ
・嫁さんが大事なんだぜ
だもんな。簡単なことをコ難しく言う、イヤーなヤツはいっぱいいますがね。こういう御仁は、それはそれで、困っちまいますよ。
冥土の土産にこの一枚も、開始から半年以上がかるーく過ぎちまいやした。
だんだんページも増えてきたな、ってもんで、いつまでも他所様の軒下を間借りしたような部ログもさすがにまずいんじゃねぇか、と思い始めた、心配り派のあたくし。
ちょいと引越し作業中でやんすから、今週はアップの方、ご勘弁。
あたくしの盲言を楽しみにしなすってる紳士淑女の皆様。ハナクソでもほじって待ってて頂戴。あ、引っ越したらタイトル変えたりするかもしれねぇんで、タイトル大募集だよ。採用されたラッキーな御仁には、つ。特性高級バッグをプレゼントしちまおうかな。
ったく、しまりがねぇな。今週も。

お気に入りのiPodを必ず耳に引っ掛けて電車通勤している庶民派のあたくし。耳に悪ぃ、って言われようが何しようが、「その時聴いている曲と、その時のシチュエーションこそが、最適なボリュームを決めるんだぜ。」ってなポリシーを曲げずに生きるあたくしとしては、工事現場と毎週日曜朝6時開催のジジィの尺八教室の次ぐらいに、ノイズの玉手箱ってな塩梅の電車の中じゃぁ、ボリューム80%てぇのが通例。あたくしが毎朝使ってる、京○急○線は、東京臨海部の生活線として名高いってぇ表の顔は別として、その実、線路敷設ルートがクネクネしてる上に、車両が斜めになるバンク状態だってぇのに非合法なスピードで駆け抜けちまうような男の電車だ。いや、漢(オトーコ)の電車だ。
そんな漢(オトーコ)の電車は、その荒くれぶり故か、ちょいとノイズが大きい。だから、電車に乗るなりあたくしのiPodはボリューム80%に、それこそ自動的に持ち上がっちまうのが定説。

そして運命の朝。前の晩からちょいとお腹がボウマン感のあたくし(しかもボリュームは80%)は思った。
「こんだけうるせぇんだから、オナラのひとつ位、誰も聞こえやしねぇよ。」
20代の頃の肉体労働(オヤジの兄弟舟ご参照)で鍛えたあたくし(しかもボリュームは80%)の下腹は、30代になった今でも(見てくれはちょいと落ちたかも知れねぇが...)まだまだイケる(はずだ)。どうせこれだけうるせぇんだ、誰にも聞こえやしめぇ、とばかりにぐっ、と力を込めて、朝のひと絞りってなビッグチャレンジを試みたってな具合だよ。「板垣死すとも、自由はブゥ」ってな塩梅だ。

すると、なんだ。みぃんながあたくし(しかもボリュームは80%)を見守ってるじゃねぇか。睨むとかじゃなく、適度な距離を保ちながら見守ってるってな感じだよ。混んでるのに。今度はちょいと寝不足の脳ミソ絞って、考えた。TVコマーシャル3つ分くらいの時間を沈思黙考。そこであたくし(しかもボリュームは80%)は気付いた。ブゥが聞こえねぇのは、あたくし(だってボリュームは80%)だけじゃねぇか。あれ?あ、そらそうだ...。
皆様はボリューム0%だよ...。
ってなことで、思いがけずすっかり車内の有名人になったあたくし(まだボリュームは80%)。ヒーローもんのドラマだったら、さしずめ「闘え!ワンダー・ブゥ」ぐれぇのタイトルが付きそうなもんだ。サングラスと帽子で武装してたから、ハズカシさと紫外線が30%位カットされちゃぁくれたけども、迂闊にオナラもできねぇ都会ってもんに、ちょいと嫌気が差した朝でやんした。
大東京だよ。東京のバカヤロウだよ。コンクリートジャングルだよ。
って、今回はなんだか、オゲレツな話題だったな...
いつもの、あれ、いっとこう。
![ybb001s[1].jpg](http://www.banlo.com/tsu/archives/ybb001s[1].jpg)
さて、謝罪もすがすがしく済んだところで、本題だ。

POWER OF SOUL:TRIBUTE TO JIMI HENDRIX / Various Artists
誰かのトリビュート・アルバムってのは、あたくしはあまり好きじゃない。なんだか、商売臭さがしちまってね。もちろん、音楽だってビジネスでやんすから、商売っ気があったって、良い。でも「良いもん作ったから買ってね」ってのと、「買ってもらいたいから、良いものだけを取り合えず集めたからよ」ってのは、根っこが違うかと。しかも、トリビュートされるアーティストが偉大であるほど、どうせ本家本元を越えられやしねぇ楽曲が並んじまう。なんだか損したなーってな経験を何度かするうちに、全く買わなくなりやした。
このアルバム、ジミ・ヘンドリックスってなロックの伝説みたいな人を取り上げてやんして、そんなの、これまで腐るほどありやがったんですけど(オジー・オズボーンがカバーしたPurple Hazeはカッコ良かったんですがね。ザック・ワイルドのギターが痺れるから。)、このアルバムについては、ブラック系とか黒人音楽ルーツ系アーティストがジミのカヴァーをすると言う、ちょいと趣向の違うもの。レニー・クラヴィッツはまぁ、いいや、としても、チャカ・カーンにEW&F、ブーツィー・コリンズ...とまぁ、ロック系カヴァーじゃちょいと登場しないラインナップってやつで。ジミをブラック系がカヴァーするってのは、なんだかそれはそれで本質をついている気もするなぁ、なんて哲学的なお話は聴き終ってからの能書きってやつでして。一聴しての印象は、良い原曲をセンスの良いアーティストが料理すると、カッコいいものができる、ってなあったり前の感想。レビューにもならねえこんな感想でやんすが、なかなかこの「当たり前」ができねぇ、という。悪い例を挙げたらキリがねぇんですがね。良い例は、ホント少ねぇ、という。
スティーヴィー・レイヴォーンのギターは、元は事故死直後のアルバムに収録されてた一曲でやんすが、これは感性を超えて、気持ちに刺さってきやす。音の一つ一つが完全に調教されているプロもいれば、どの音ひとつとっても、感情が感じられるプロもいるわけで、レイヴォーンは完全に後者。ライブでもVooDoo Chileやってたレイヴォーンでやんすが、正面から聞けないくらい、直球で涙腺を突くギターでやんす。北斗の拳みてぇだね。ヒコウを突いてくるんだね。ひでぶ、だね。
EW&Fとかブーツィーが料理する曲は、こんなにもファンクネスでいっぱいだったかな?って思うくらいに濃厚アレンジでやんして、これも一興。特筆はサンタナ。懐かしいLiving Colorのメンバーとのセッションでやんすが、まぁ、良いギターだよ。ほんと。この人は、演歌だね。艶のほうじゃねぇよ。漢(オトーコ)の演歌の方だ。サブちゃんの方だね。音の使い方が。
スティングとかレニー・クラヴィッツとか、そらそれで大物がいるんでやんすがね。痺れ度低いんだね。John Leeとかと同じアルバムで較べられちまうと。カッコいいんだけどね。
ともあれ、飽きのこない一枚。ここからジミのオリジナルアルバムに辿っていく、って聴き方も、あたくしはご提案したい。
あたくしがトリビュートするとしたら、Chicのバーナード・エドワーズだなぁ。
誰も作ってくれ、とは言わねぇだろうけども。